『問いのデザイン』を読んでみました。
ワークショップとかをやるわけではないけれど、スクラムイベントをファシリテーションしたり、チームメンバーと 1on1 したりするので、そのあたりに活かせるものがないかなと期待して読んでみました。
「問いは問われた側の思考と感情を刺激する」と書かれている通り、こちらからどのように問いかけるかが重要なんだと思います。真正面から質問をぶつけるだけでなく、視点を変えたり、より本質を捉えるような「ひと捻り」を加える必要がありそうです。どちらかというとこういうコミュニケーションが苦手...。
大きく分けると課題とプロセスの話があるけど、個人的には、課題をどう設定するかがキモな気がする。そのあたりのリフレーミングとか課題のよしあしをどう判断するかみたいなところは参考になりました。
以下、メモから抜粋。
問いのデザイン
- 問いは問われた側の思考と感情を刺激する
- 問いは集団のコミュニケーションを誘発する
- 創造的対話
- 課題のデザイン + プロセスのデザイン
- 問題の本質を捉える, 解くべき課題を定める
- 問いを投げかけて創造的対話を促進する
課題設定の罠
- 自分本位
- ステークホルダーにとって建設的で社会的意義のある課題を再定義する
- 自己目的化 (手段が目的になっているパターン)
- ネガティブ, 他責
- 優等生 (1つの側面しか見れていないパターン)
- あるべき以外の状態に着目する
- 壮大
- 当事者が自分事にできるサイズまで落とし込む
目標の精緻化
- 期間 (短期, 中期, 長期)
- 優先度
- 性質 (成果, プロセス, ビジョン)
- 到達点の成果までにどのようなプロセスを辿るべきか
目標の再設定 (リフレーミング)
- 利他的に考える
- 自分本位にならないように焦点を他者に向ける
- 大義を問い直す
- 自己目的化しないように大義を問い直してビジョンや成果目標に反映する
- 前向きに捉える
- ネガティブ/他責にならないように相互に建設的な目標に変える
- 規範外
- 天邪鬼思考/逆説的に考える
- ビジョンや成果目標そのままでプロセス目標にひねりを加える
- 小さく分割する
- 壮大な目標にならないように
- 優先度や構成要素で分割する
- 名詞を動詞に言い換える
- 言葉を定義する
- 言語化して曖昧さをなくす
- 共通の目標を決める (メタ目標)
- 主体を変える
- 問題のステークホルダーのうち主体を変えることで目標の視点が変わる
- 時間尺度を変える
- 成果目標は変えずにビジョンを極端に未来に飛ばす
- 未来志向の目標に対して過去に視点を向けるプロセス目標を設定する
- 第三の道を探る
よい課題の判断基準
- 効果性
- 問題の本質を捉えているか
- 社会的意義
- どれくらい社会に付加価値をもたらすか
- 内発的動機
- 自分事になっているか
プロセスデザイン (プログラムを計画する)
- 参加者への最初の問いかけが重要
- 意図が見えない曖昧な問いかけは逆効果になる
- 焦点の定まった問いを投げかける
- 共同体, 空間, 人工物, 活動
- どんな参加者が, どこで, 何を使って, どんな順序で
- 導入 (アイスブレイク) > 知る (情報のインプット) > 創る > まとめ (ふりかえり/経験の意味付け)
- 課題解決に必要な経験を促す
- 社会や組織などのマクロな視座を重視するか
- 個人の視座を重視するか
- 社会/組織+過去 > 歴史
- 社会/組織+未来 > ビジョン
- 個人+過去 > 経験
- 個人+未来 > 妄想
- 問いの制約を設定する
- 価値基準を示す形容詞
- よい xxx とは > 快適な xxx とは
- ポジティブ, ネガティブ
- 時期や期間を指定する
- 想定外の制約を付ける
- 問いに対するアウトプットの形式に制約を付ける
- 価値基準を示す形容詞
- 意味レベルの問い, 仕様レベルの問い
- 具体的な経験 > 抽象的な問い > 具体的な仕様に落とし込む
- 点数, グラフ
- 点数の意味付け, 点数が高い状態を想像させる
- ものさし作り
- 価値の評価基準のすり合わせ
- 架空設定
- そもそも
- 喩える
ファシリテーターのコアスキル
4タイプの問いかけ
- シンプルクエスチョン
- ティーチングクエスチョン
- 教育的な意図を持って介入するパターン
- 不足している視点への気付きを促す
- コーチングクエスチョン
- 意欲, 思考, 価値観 を引き出す
- フィロソフィカルクエスチョン
- そもそもを問う