越境

最近ちょっと話題になってた役割と越境の話。

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とてもいい内容。こうやって言語化できるのはすごいなと思います。

そのうえで、個人的に越境について考えてみると、「越境すること自体を目的にしない」「目的から逆算してアクションした結果として越境してしまう」のはその通りで、結果として越境が必要になったときに、渋々越境するよりは意思を持って越境する方が主体性が高いんじゃないかな思ったりする。越境するなら外発的ではなく内発的に意思を持って越境するようになって欲しいし、そういうチームになるにはどういうチームビルディングやコーチングがいいんだろうかと考えるかもしれない。

もちろん、越境せずに組織が回るならそれがいちばんいいし、みんなが自分の得意なことだけをやって全体がうまく進むような環境にするのが理想なのはその通りだと思う。とはいえ、これを実現させる組織づくりってなかなか難易度が高いものなんじゃないかなとも思う。理想の環境を目指して地道に組織づくりをしても、会社の状況や外部環境によって組織の形を変えざるを得なくなって、理想に近づいてはまた遠くなるみたいなことはわりとありそう。(たぶん)

あと、不本意な越境が起こらないように、マネージャーが役割や責務を状況に即してアップデートするのももちろん大事だけど、組織が大きくなってくるとマネージャーがそれを拾うにも限界があるのかもしれない。どういう背景や課題があってどういう役割が必要になるかを現場から上げることも必要になる場面があるだろうし、こういうエスカーション自体が越境な気もする。

責任の所在を明確にしたり、自分の仕事を守るのも確かに大事なこと。一方で、チームで仕事をする際に自分の領域に線を引くことで、こぼれたボールを誰も拾わず、結果的に物事が進まないこともまれにあると気がする。もちろん、そもそもボールがこぼれないようにするべきだけど、こういう状況になったときにボールを拾うのはやっぱり意思を持って越境する人なんじゃないかなと思う。

「越境が好きな人はアジャイルとかスクラムに慣れすぎてしまった人なのかもしれない」というのはその通りかもしれない...。ここは読んでてハッとした。この記事の内容からしたらスクラムの弊害と言ってもいいくらいなのかもしれない。

あと、越境にもいろいろある気がする。

  • デザイナーがいるのにエンジニアがデザインをする
  • 当番じゃない人が当番の人の代わりに作業をする
  • 職種が違う人と話すときに相手の前提知識に合わせて言葉を選ぶ

思い付きで書いたけど、↑なんかもそれぞれ形や深さは違えど越境なんではないかと思ったりする。

あと、ちょっと言葉を選ばすに言うと、越境の推進を否定するのは、越境が必要な状況で越境しないことへの保身なのではないかとも思ったりする。

こちらも参考。

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